SR2(SCRIT-equipped Riken Storage Ring)

電子蓄積リングSR2(SCRIT-equipped Riken Storage Ring)の放射光利用

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SR2 (SCRIT-equipped Riken Storage Ring)は不安定核電子散乱実験のための電子蓄積リングとして、住友重機械工業(株)より小型電子蓄積リングAURORA-2Sおよび150MeVマイクロトロンを譲り受け、理研和光キャンパス内RIBF実験棟に再建しました。SCRIT(Self-Confining RI Ion Target)法は、蓄積リングを周回する電子ビーム軸上に、イオンを捕獲・固定すると同時に、捕獲したイオンによる電子散乱を起こさせる「RI標的捕獲装置」(「陽イオントラップ装置」技術を利用)を用いるものです。SR2は本来電子散乱実験に利用される電子蓄積リングですが、必然的に軟X線放射光を発生します。これを有効利用したいと思っています。SR2は挿入光源の有無を除き広島大学放射光科学研究センターのHiSORと同じ装置であり(写真)、表1に示されている機能と仕様もHiSORとほぼ同等です。実験室の配置図、ビームラインの構成は図に示されているように長短6本のビームライン設置が可能です(図1)。ただし、直線部はSCRIT電子散乱実験に利用するので、偏向磁石からの放射光のみ利用可能です。

 

SR2放射光利用計画アンケートの配布

平成20年度に住友重機工業よりAURORAを譲り受け、これをSCRIT電子散乱実験用電子蓄積リングSR2 (SCRIT-equipped Riken Storage Ring)として利用すべく建設を進めてまいりました。平成21年12月24日に入射器マイクロトロン(RTM)から150MeV電子ビームを取り出し、続いて平成22年2月6日にはSR2への入射と700 MeVへの加速および蓄積に成功しました。

東京駅より1時間という地の利を有する埼玉県和光市において、比較的容易に放射光の利用ができるという利点を生かして、どのような放射光利用ができるのか、アイデアを広く公募することになりました。ビームラインを建設するような本格的実験はもちろん、学生実験のための利用、テストベンチを持ち込での試験実験あるいは、いきなり放射光共用施設では敷居が高いが、独創的なアイデアによる開発研究の試行など、SR2の利用法を広く募集します。

アンケートのダウンロード
(Word)

 

 

表1 SR2の機能および仕様

Circumference 21.95 m
Type Racetrack
Bending radius 0.87 m
Beam energy 700 MeV
Bending Magnetic field 2.7 Tesla
Injector 150 MeV Racetrack Microtron
Betatron tune (Qx, Qy) (1.62,1.57)
RF frequency 191.244 MHz
Harmonic number 14
RF voltage 130kV
Stored current 300 mA 以上
Beam life time

~ 5 hours (@200 mA)

Critical wavelength 1.42 nm
Photon flux density (5 keV) 1.2x1011
photons/sec/mrad2/0.1%b.w./300mA
 

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