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花粉A |
花粉X |
卵細胞A |
AA |
AX |
卵細胞X |
AX |
XX
変化アサガオの形質が現れる |
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遺伝子は、受精によって、父方から1セット、母方から1セットが子孫に受け継がれます。重イオンビームを照射すると、多くの場合、片方の遺伝子だけが変化します。 ここで仮に、Aという遺伝子が破壊されると、変化アサガオが出現するとしましょう。破壊された遺伝子をXと表します。重イオンビーム照射によって、AAのうちの片方だけが破壊され、AXとなります。お土産に持って帰った種子から咲いた花(1世代目)では、たとえ片方がXとなっても、もう片方の遺伝子Aが正常にはたらくので、アサガオの花に変化は現れません。
1世代目で変化アサガオが観察されなくてもがっかりすることはありません。アサガオを受精させましょう。おしべの花粉から1セットの遺伝子と、めしべの胚珠のなかの卵細胞から1セットの遺伝子とが、種子(2世代目)に伝わります。花粉と卵細胞との両方からXを受け継ぐとXXをもつ種子ができます。XXをもつ種子が出現する確率は1/4(AX X AX = AA+2AX+XX : メンデルの法則)です。すなわち、あなたの選んだアサガオが遺伝子Xを持つならば、2世代目の1/4の個体に変化アサガオが咲くことでしょう。少なくとも219個はあるとの報告もありますが、ここで仮定した遺伝子はいくつあるのかわかっていません。あなたのアサガオが、「世界で一つだけの花」を咲かせるかもしれません。 |