113番元素名:nihonium (ニホニウム)元素記号:Nhに決定

理化学研究所仁科加速器科学研究センター超重元素研究グループの森田浩介グループディレクターを中心とする研究グループが提案していた113番元素の元素名と元素記号が、グループの提案通り

元素名 「nihonium(ニホニウム)」
元素記号 「Nh」

に正式決定されました。

─森田グループのコメント─

 私たちの提案した元素名「nihonium」、元素記号「Nh」がIUPAC(国際純正・応用化学連合)に認められ、正式決定されたことを大変うれしく思っております。長い元素発見の歴史の中で、欧米以外の国で元素を発見したグループはありませんでした。つまり今回の日本発の新元素の認定と命名はアジア初です。私たち研究グループは、応援してくださった日本の皆さんのことを思い、新元素を「ニホニウム」と命名しました。人類の知的財産として将来にわたり継承される周期表に、日本を中心とする研究グループが発見した元素が載ります。私たちはこれをとても光栄に思っており、長年にわたり応援してくださったすべての皆さんに感謝の意を表します。

 基礎科学における発見は、そののち思いもよらないブレークスルーを数多く生み出し、人類に多くの恩恵をもたらしてきました。一方、基礎科学研究そのものが日々の生活に直接影響を与えることはほとんどありません。そんな状況にもかかわらず、私たちの実験のような長期的で地道な基礎科学研究を支援してくださった方々に改めて深く感謝します。

 周期表に日本発の元素を見出した人が少しでも誇らしい気持ちになり、科学に興味を抱いてくださることを期待します。そして、それが科学的な思考をもつ人の数を増やすことにつながり、ひいては日本の科学技術の発展に寄与しうると考えるとき、私たちは、私たちの行ってきたことに大きな意義を見出すことができます。今回の新元素発見と命名を多くの皆様と共に祝うことができましたなら、研究グループ一同これに勝る喜びはありません。

研究グループを代表して

森田 浩介

 

close

理化学研究所

日本発、アジア初。

理化学研究所RIビームファクトリーで生成された113番元素が国際的に新元素として認定されました。元素周期表に日本人の手で新たな元素が加わったことになります。かつて、新しい元素の発見は新しい物質科学の始まりを意味し、新物質はさまざまに利用され、人々の生活を豊かにしてきました。今回発見された113番元素は10年近い年月をかけ、困難な中3原子を合成・発見しました。また寿命も約1000分の2秒とみじかく、瞬く間にほかの元素へと壊変してゆきます。新元素は現在のところ、人々の生活に直接かかわることはないと考えられます。しかし元素は世界の構成要素であり、これを探求することは、人類に化学の基礎を与え、原子核の安定性についてより深い理解を与えます。物質の存在にかかわる基礎研究の深化は、未来の科学、ひいては科学技術と社会の発展に大きな貢献をすることは間違いありません。

113番元素はどのようにして発見されたのか

亜鉛Zn+ビスマスBi= 正解はこちら

元素発見の歴史

アジア圏初の発見から命名に至るまで

詳しく学ぶ

匠技で作りあげられた装置群

純国産の装置群と、加速器スタッフの不断の努力で

詳しく見る

9年で3個、1兆回の衝突の末

「待っていれば、絶対に来る」森田 浩介

インタビューを読む

119番、120番元素への挑戦

詳しく見る