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原子核の研究

原子核とは

 

原子核の構造


分子、原子、原子核の構造

右の図のように例えば水の場合、水は分子のかたまりで出来ています。その分子は水素原子と酸素原子という粒子が集まったもので出来ています。さらに原子は原子核とその周りを取り巻く電子から成り立っています。またさらにその原子核は陽子と中性子とよばれるもので構成されています。
これは水だけに限らず、地球上の全ての物質について言えます。実は私たち自身も含め、身の回りの物は全て原子核から出来ています。そして物の重さのうち99.97%が原子核の重さなのです。(残りの0.03%は電子の重さです。)

これらは一体なんでしょう?

実は全て原子核です。
原子核には様々な性質があります。「形」を例にとると、球形のものだけではなく、レモン形、みかん型のものがあります。まだ見つかっていませんが、もっと極端な形…バナナ形、洋なし形…が存在する、という予想もあります。
RIビームファクトリー(RIBF)は、こうした未知の原子核を材料にして研究する施設です。

世界は陽子と中性子で出来ている 〜核図表とは

さて、その原子核は果たしてどれくらいあるのでしょう?
100種類?1000種類? …実はおよそ10000種類あると言われています。それを示したのが下の図。

小さくて少し分かりづらいかもしれませんが、マス目一つ一つが一つの原子核です(黄色、ピンク、空色の所はマス目を省いてあります)。
少し拡大してみましょう。

左下の一部を拡大したのが左の図です。原子核は陽子と中性子の2種類がくっついてでできています。現在の理論によると、陽子数と中性子数の組み合わせによって約1万種類の原子核がありそうです。この莫大な数の原子核を一枚の地図で表したものが「核図表」です。
縦軸は陽子数(元素の種類)、横軸は中性子数(同位元素※の種類)を表しています。拡大図を見ると下から水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム…と馴染みのある並び順で記されているのが分かります。下から上に向かって見ていくと周期表の配列と一緒ですね。 横一線は同じ元素をあらわしています(放射性同位元素)。核図表は皆さんお馴染みの周期表の詳細版といったところでしょうか。核図表を使うと、未発見のものも含めてほぼ全ての原子核を一目で見ることができます。
(※陽子の数が同じで中性子の数が違う原子核をお互い同位体・同位元素と言います。)

更にこの図を詳しく読み解いてみましょう。炭素を例に見てみましょう。
上図で赤枠で示した炭素原子核(C)に注目してください。

天然に存在する安定核の種類は300にもおよびません。安定核はほぼ同じ数の陽子と中性子でできています。組み合わせる数がひとつ違うだけで、全く違う性質を持つのが原子核です。

原子核の探索

このように多くの原子核の存在が予想されていますが、その多くは理論上存在するといわれているもので、実際には確認されていない原子核が数多く存在します。
RIBFではこれまで確認されてなかった原子核を確認することが出来ました。世界でも屈指の原子核発見施設なのです。

かつてコロンブスはアジアを目指してアメリカ大陸にたどり着き、ヨーロッパとアメリカをつなぐ航海路を発見しました。RIBFでは、今までに観測されていない原子核の存在を確認し、寿命、質量、大きさ(半径)、形、などをそれぞれの測定に特化した装置で観測します。
この「世界初の発見(観測)」はRIBFの大きな役割ですが、次々と発見される原子核の多様な姿がたった2種類の粒子(陽子、中性子)の組み合わせだけで現れる不思議。私たち研究者はその仕組みを明らかにしたいのです。

さらなる研究

 

異常な原子核構造の発見

最近の理研の研究で、中性子の過剰な中性子ドリップラインに近い領域には、中性子ハローや中性子スキンといった異常な核構造をもつ原子核が数多く存在することがわかってきました。また、この領域になるとマジックナンバー20が魔法性を失っている[球形のはずの原子核が変形していたり、存在するはずのものが存在しなかったりする]こともはじめてわかってきました。これらの現象はこれまでの原子核像[マジックナンバーの存在、マジックナンバーから離れると原子核は変形、陽子と中性子の核内分布形状は同じー1950年代の3つのノーベル賞研究で確立:1.殻モデル理論 2.集団運動モデル理論 3.電荷分布測定実験]からは想像できないものばかりです。


 

 

 

 

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